一人の作家を読んで興味を持つと読み続けるいつもの私。この人の場合は休み休み、これで初期から作家として成熟してきたところまで読んだというところだろうか。
短編集であり表題作は川端康成文学賞なんて大それた賞を頂いているのである。私は基本的に反権威主義と思っているが、意外と○○賞受賞というのに弱い。その代わりに内容に納得がいかないと怒ったりするが、この人に関してはそういうことはない。デビュー作から一連のパンク的というか、破壊的文体というものが、実はじっくりと練られたものであり、この人は存外文学的造詣がとても深いのだということが、このあたりの作品群を読んでいるとうかがえる。「おほほほほ」とかのテンポのいい合いの手、意味不明の表現と思いきや結構豊富な語彙と表現力と、得体の知れない深いところを感じさせるのである。
さて、その後の作品はどういう世界を展開させているのか。今年も新刊が出ているようだが、それはしばし一服して他所の世界を覗いてきてからにしよう。
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